カリソルブとは |
カリソルブは、カリソルブ溶液(次亜塩素酸ナトリウムと3種類のアミノ酸の混合溶液)の作用により、感染した象牙質のみを選択的に軟化させ、専用のインスツルメントを用いることでその感染部位のみを除去することを可能にします。カリソルブは、健全象牙質には作用しませんので、組織を保存し非侵襲的に治療を行うことができます。
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カリソルブの特徴 |
- 健全歯質の保存
カリソルブを用いると健全象牙質と感染象牙質とが臨床的に明確に区分されます。そのためカリソルブを用いるとう蝕組織のみを除去することが可能となります。つまり健全歯質を不必要に除去する事がありません。
- 傷みの少ない治療
カリソルブによる治療の多くは、局部麻酔の必要性が最小限にとどまります。ドリリングは主にカリソルブ・インスツルメントの到達が困難な窩洞において補助的手段として用いる場合があります。
- 静かで快適な診療
従来のエアータービンやマイクロモーター等の回転切削機器による音や振動が発生しないため、患者さんは快適な環境で治療を受ける事ができます。
- カリソルブは軟組織、エナメル質または健全象牙質には作用しません。
また、歯髄に対する影響も報告されていません。
- 利便性
カリソルブはカリソルブ溶液とカリソルブ・インスツルメント で治療を行いますので、高価な専用の器械を必要としません。また、カリソルブ溶液の1回の使用量は1mlと非常に微量ですので、臨床的な操作性にも優れています。
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患者さんの選択と適応症 |
患者の選択
カリソルブを用いた治療に適応する患者は、健全歯質の保存が重要な患者、言いかえれば、う蝕に羅患した患者すべてが治療の対象となります。その中でも下記に示す患者の治療には特に有用だと思われます。
- 小児・高齢患者
- 歯科恐怖症・痛みに敏感な患者
- 全身疾患等で局所麻酔の使用が禁忌の患者
- 在宅診療の患者
適応症
カリソルブを用いた治療はカリソルブとカリソルブ・インスツルメントが感染象牙質に到達可能であればどの部位でも適応となりますが、その中でも下記に示す症例には特に有効です。
- 根面う蝕
- 開放型の病巣がみられる歯冠う蝕
- 修復材料に近接するう蝕
- 補綴物のマージン部のう蝕
- 歯髄に近接している
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