歯周再生療法 GTR法について |
従来の歯周病治療では、歯が抜けてしまう前に、これ以上病気が進行しないように止める事だけで、本来の状態に戻すことはほとんど不可能でした。ところが今日では、歯周病により破壊された歯の支持組織を再生させ、歯をできるだけ元の健全な状態に戻す治療法があります。
● 再生法:GTR法=メンブレンによる新治療法
歯周治療の最終目的は病気の進行を止め、元の健全な状態に組織を回復させることです。
1980年代の初頭に、歯を救う新しい治療方法の研究がスタートしました。その結果、歯周病の全く新しい治療方法として、歯の周りに必要な組織を再生させて、歯の支持構造をできるかぎり元の状態に戻すという再生法(GTR法)が確立され、1990年代になってから世界中で広く応用されるようになりました。
再生による治療法の目的は、歯が機能するための支持構造を回復させる事です。この為、歯肉の位置も維持する事ができます。
● あなた自身の生体再生能力を利用
歯周病で破壊された歯の支持組織(繊維組織や骨)は、その原因を除去すれば再生しようとします。しかし、患部を清掃して後に何もせずそのまま治癒を待つと、必要な支持組織が再生する前に別の軟組織がそこに入り込み、うまく行きません。
そこで、ポケットの内部を清掃した後に、メンブレンを設置し、外からの必要な組織が進入しないように防御します。そうすると、メンブレンの下には歯の支持組織が再生を始め、ゆっくりと成長してきます。
従来の歯周外科の手術とほぼ同様な処置が必要になりますが、GTR法には1つ重要な違いがあります。それは、手術によりプラークや歯石を除去した後に、メンブレンを歯肉の下に一定期間おくことです。その後、ある期間を経過してメンブレンを取り除きます。すると歯は新しく再生した組織で覆われていきます。
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再生治療(GTR法の術式)の注意点 |
まず、あなたの歯にGTR法が行えるかどうかを検査します。この治療を行えるかどうかは、歯と歯周病の程度によっても変わります。1本の歯でも、場合によっては歯列全体の健康にとって大変重要な場合もあります。1本の歯を失う事によって連鎖反応が始まる事も良くあります。担当の先生は多くの要因を考えた上で、この治療法がもっとも適切と診断した場合には、あなたにこの治療を薦めるでしょう。
担当の先生からの説明後、あなたがこの治療法を希望し、この処置を受けた場合には、担当の先生から多くについてアドバイスがあります。メンブレンが患部におかれている間、どのようにして患部を清潔に保つのか、また、新しい組織が再生した後の歯への注意事項などは重要です。
GTR法に限らず、疑問や関心をお持ちになったことについては担当の先生によく相談し、治療方法を選ぶときには十分な情報を得た上で決めることが重要です。
しかし、どのような病気でもそうですが、あまりにも重度に進行した歯周病では、このGTR法での治療が困難な場合もあります。
尚、再生治療(GTR法の術式)を受けるには、あなたの担当の先生が、メンブレンを適切に使用する為の特別なトレーニングを受けている必要があります。 |
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